耳かきのしすぎに注意!耳垢の役割と種類
耳そうじを怠っていると耳垢が溜まって耳が聞こえづらくなったり、耳肌がベタベタして不快感を感じたりしてしまいます。邪魔な物のように感じる耳垢ですが、実は耳を守ってくれる大事な役割も持っているのです。
そこで今回は耳垢がどのような物なのか、その重要な役割などを詳しく説明していきます。また耳垢のタイプは人によって様々です。それぞれの特徴や、タイプに合った耳かきを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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耳垢とは?
耳垢は主に耳内部の古くなって剥がれ落ちた表皮細胞で出来ています。これが奥の鼓膜に近い部分から外耳道(耳の中の道)を通って外へと移動し、「耳垢腺」や「皮脂腺」からの分泌物と混ざり合うことで、耳垢として溜まっていくのです。
耳垢腺とは、ワキガの原因としてよく知られるアポクリン腺と同じような物です。
耳垢は次に説明するような耳を守る役割も持っていますが、溜まりすぎてしまうと耳が聞こえにくくなったりする等の、トラブルを引き起こしてしまう可能性があります。ですから2週間~1ヵ月に1回程度は耳そうじをして、耳を清潔に保つようにしましょう。
耳垢の役割
耳垢と呼ばれているだけに、一見きれいに見えるものではありません。しっかり取り除いておいた方が良い気がしてしまいますが、実は耳垢にも様々な大切な機能が備わっています。ここで耳を守るための機能のうち、主な3つの役割を見ていきましょう。
外部からのゴミなどの侵入の防止
耳の分泌物は湿っていて適度に粘り気があるので、耳外部から侵入してきたゴミをキャッチすることができます。そして表皮細胞が外耳道を通って外へと移動する際に、それらも一緒に外へ運び出してくれるのです。
また、耳の中に昆虫が侵入するのを防止する機能もあると言われています。昆虫は耳垢の持つ臭いや苦み成分を嫌うようで、耳に虫が入ったと病院を訪れる人は普通より耳垢が少なかったそうです。
外耳の皮膚への刺激の緩和
耳垢は、英語にすると「earwax」となります。外耳道や鼓膜は、決して丈夫とは言えない比較的薄くできている皮膚組織です。耳垢はこれらを優しく覆い、刺激や乾燥から耳を守るワックスのような役割を持っているのです。
細菌の繁殖の抑制
耳垢にはリゾチーム・IgA・IgG等という、抗菌作用のある成分が含まれています。これらが耳の中で細菌が繁殖することを抑え、私たちを耳のトラブルから守ってくれているのです。特に乾燥タイプの耳の方に多く含まれると言われています。
耳垢の種類と特徴
日本人の7~8割の方は耳垢が乾燥しており、その中でも粉のようにさらさらした耳垢、はがれた皮膚状の抜け柄のような耳垢とさらに分かれています。そしてそれ以外の方の耳垢はべとべとと湿っており、全部で大きく3タイプの耳垢に分類することができます。
ここではその3タイプの耳垢の特徴と、それぞれの耳垢に合った耳かきを紹介しているので、耳かきを探す際の参考にしてみてください。
粉タイプの耳垢
耳の中が乾燥している方のうち、耳垢が粉状になっているがこのタイプです。
耳そうじをする際は注意しておかないと、耳垢が鼓膜付近までぽろぽろと落ちてしまい、耳をつまらせてしまう危険が高くなります。原因はほとんどが遺伝なので、この状態をどうこうすることはできませんが、適したケア方法を知り粉耳と上手に付き合っていく必要があります。
ですが乾燥が重症化し耳全体に白い粉がふいているような状態の場合は、一度耳鼻科に足を運んでみた方が良いかもしれません。
粉タイプの耳垢におすすめの耳かき
粉タイプの耳垢の方におすすめしたいのは、ワイヤータイプの耳かきです。
粉耳の一番の問題点は耳垢が奥に落ちてしまうことですが、ワイヤータイプの耳かきを使えば、耳垢を飛び越えてかき出すことができます。ですから耳垢をつまらせてしまう可能性がぐんと減ります。
また乾燥することで傷付きやすくなっているので、なめらかな素材を使っている物や、クッション性があってよくしなる物を選んでみると良いです。
抜け殻タイプの耳垢
こちらも粉タイプと同じで乾燥耳の方に見られ、日焼けして剥けてしまった皮膚のような状態になっています。薄い耳垢がひらひらと連なって付着しており、耳そうじはしやすいタイプです。
抜け殻タイプの耳垢におすすめの耳かき
抜け殻タイプは耳掃除をすれば、比較的簡単に耳垢を取ることができます。
耳垢がたくさん取れている実感が得られるのは気持ち良いものです。そこでおすすめしたいのが、先端が螺旋状になっているタイプの耳かきです。その凸凹によって、耳垢をごっそりとかき出し、しっかりとしたかかき心地を味わうことができます。
とは言え抜け柄タイプの耳垢の方も耳肌は乾燥していてデリケートだと思うので、素材はなめらかに磨かれた金属や、ゴム製の樹脂を使用した耳に優しい肌触りの物を選んでください。
湿っているべとべとタイプの耳垢
こちらは黄土色から茶色に近い、アメのような湿った耳垢です。
べとべとと粘着性があり耳肌にへばり付いているので、そうじは非常にしづらくなっています。原因はほとんどが遺伝ですが、日本人には少ないタイプです。もしこれまで乾燥耳だったのに突然湿ってきたりした場合は、病気などで体液が出ている可能性があるので、耳鼻科を受診することをおすすめします。
このタイプの耳垢の方は乾燥耳の方よりも耳垢腺の数が多く、分泌物の成分の分量の違いから耳が湿りやすいのではないかと考えられています。何にせよこのタイプも直すことはできないので、適切なケア方法を知ることが大事です。耳そうじの際は、耳かきと綿棒を併用して綺麗にしてあげることをおすすめします。
べとべとタイプの耳垢におすすめの耳かき
べとべとタイプの方は耳垢がこびり付いて非常に取りづらいため、耳掃除を頑張っているうちに耳垢を奥まで押し込んでしまう可能性が高いです。
このタイプの耳垢の方には、先端が大きいと余計に奥に押し込んでしまうので先端の小さめな物がおすすめです。またべとべとの耳垢が耳かきについてしまうと衛生的にも良くないので、拭き取るだけで綺麗にできたり、丸洗いできたりするお手入れの簡単な物を選ぶようにしましょう。
タオルや綿棒を使って、水分を取り除いてから耳かきを使うようにする等、工夫をして耳掃除を行うことも大切です。