実は沢山あるお香の種類について
お香といえば、棒状のスティックタイプと円錐型のコーンタイプだけ!なんて思ってはいませんか?
お香というのはそれら以外にも様々な種類が存在しており、お香の中には直接火をつけないお香や、そもそも火を使わないお香という種類まであるのです。
お香の形状というのは使う人の生活リズムや使用したい場面に合わせてたくさんの種類がありますから、まずはお香の種類をしっかりと理解して、上手に使い分けていきたいところですね!
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最も一般的な直接火をつける種類のお香
お香の中でも最もポピュラーな種類といえば、お香自体に直接火をつけて香りを楽しむタイプのもの。
準備に時間がかからず手軽に楽しめることや、短時間でも長時間でも普段の生活に合わせて使えることが支持されており、今やお香の中でも定番として多くの人に愛され続けている種類です。
スティックタイプ(棒状)のお香
お香に直接火をつけて使用する種類の中でも定番となっているのが棒状に作られたスティックタイプのお香であり、雑貨屋さんなどで購入できるインド系のお香や、仏壇やお寺などで使用されている線香もスティックタイプのお香です。
竹などの芯材を使用し周囲に香料をつけたお香や、香料のみで作られたタイプがあります。
一般的なサイズであれば、1本で約30分〜1時間程度使用でき、長いものは折ったりして時間を調節できます。
スティックタイプのお香は燃えている面積が均一なので香りが均一に広がるという特徴を持っており、火をつけた瞬間から燃え尽きる瞬間まで香りが変わらないという魅力があります。
コーンタイプ(円錐状)のお香
スティックタイプのお香と並んで雑貨屋さんなどで見かける機会の多いコーンタイプのお香は、芯材を使用していないため香料の純粋な香りを楽しめるとあって人気です、比較的女性のユーザーが多いタイプと言えます。
円錐の先端に火をつけて使用し、火は円錐の底面へと向かいます、燃える面積が広くなっていくため徐々に香りが強くなるのが特徴であり、短時間で香りを充満させたいときに便利な種類です。
芯材を使用したスティックタイプのお香よりも煙が少ないのも特徴で、灰がそのまま円錐状に残るため散らばらないのも便利ポイント!火がつきにくいためロウソクの火などを使用するのがおすすめです。
コイルタイプ(渦巻き状)のお香
蚊取り線香などで見ることが多いコイルタイプのお香は、スティックタイプやコーンタイプと比較して燃焼時間が長く、広い部屋や空気の流れが多い場所、屋外などでの使用でも活躍してくれるお香です。
途中でお香を消したい時はお香自体を折ったり、金属製のペーパークリップやヘアピンなどで火を消したい部分をあらかじめ挟んでおけば勝手に消えてくれます。
ペーパータイプ(紙製)のお香
フランス輸入雑貨などを扱うお店で見ることの多いペーパータイプのお香は、火をつけて燃やせば強い香りを楽しめますし、火を使わずとも香りを楽しめるため、手帳や本の”しおり”代わりに使用したり、名刺入れに忍ばせて名刺交換の場を印象的な空間に変えるなどビジネスシーンなどで持ち歩いている人も多いお香です。
紙で作られているため空気の流れが強い場所で使用することはできませんが、低価格かつ枚数も多いのが特徴で、燃焼時間も短いため朝のちょっとした時間や、夜寝る前のリラックスに活用できます。
特殊な種類のお香
寺院などの宗教的な場面で使われることの多い種類のお香です。
ロングタイプ(長尺)のお香
ヨガや読経など時間を計りつつ使用されるのがロングタイプのお香です、ヨガを行う時間や座禅を組む時間などに合わせてお香の太さや長さは変わりますが、物によっては6時間以上燃え続けるお香も存在します。
抹香(まっこう)
沈香や白檀など香木を混ぜた粉末状のお香で、仏前で使用する以外に仏塔や仏像への散布にも使用されます。
現在では主に焼香用に使用され、抹香に貝殻など甲香を混ぜて練ると練香(ねりこう)というお香になります。
焼香(しょうこう)
通夜、葬儀、法要といった場面で見かけることが多い焼香は、香木や香草を細かく刻んで混ぜ合わせたものを蒔いて燃やすタイプのお香です、5種類の原料を使用していれば5種香、7種類の原料を使用すれば7種香と呼びます。
最近では様々な原料の焼香が作られていますが、本来は「沈香・白檀・丁子・鬱金・竜脳」の5種類を組み合わせたものが基本とされています。
間接的に熱を与える種類のお香
茶道や華道のように香りにも香道というものがあり、そんな香りを愛する人たちから嗜まれているのがこの間接的に熱を与えることでお香を焚くタイプの種類です。おこした炭をうずめた香炉で手間をかけて焚かれるのが特徴であり、ゆったりとした時間や空気の流れ、そして繊細な香りを楽しみます。
香木(こうぼく)
香木というのは芳醇な香りを持つ木の事、薄片に削ったものを聞香でじっくりと楽しんだり、空薫で焚いてお部屋を満たすなど様々な使用方法があります。
練香(ねりこう)
現代では主に茶の湯の席で使用されることの多い練香は、王朝文学にも”薫物”として登場する由緒正しきお香であり、香料を粉末にした抹香に、蜜や梅肉や甲香を加えて練り上げ、壺の中で熟成させる丸薬状のお香です。
印香(いんこう)
梅の花や紅葉といった四季折々の形に押し固めてある物や、最近ではキャラクターなどの形に作られることも多い、見た目に楽しいお香です、鮮やかな色であり、間接的に加熱したり直接火をつけて使用することもあります。
火を使わない種類のお香
お香の種類には火を使用しないものも存在しています。
このタイプのお香は火を使わずとも室温や体温で香りが立つように調合されており、最近では「火を使わないアロマは安心」という声もあって徐々に人気を獲得している種類もあります。
塗香(ずこう)
主にお寺などで使用されるお香の1つ、修行者が体に塗って身を浄めたり、ご本尊にお供えしたりするときに使うお香です。宗派によっては口に含むところもあります。
起源となっているインドでは体臭を消すことに使用されていたそうです。
匂い袋・香嚢(こうのう)
布で作られた袋の中に、丁子や白檀といった香木などを刻んで調合した香料を詰めて持ち運べるようにしたお香で、衣類に香りを移して香水のように使用するだけでなく防虫効果もある優れもの。
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