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入浴剤とは?歴史や主成分と効果について

入浴剤の歴史や成分と効果

普段のお風呂に入る時に、ただ湯船につかるのもいいですが、出来ることなら効果のある入浴をしたいですよね。そんなお風呂の入り方もいろいろありますが、手っ取り早く効果を発揮してくれるのが、入浴剤を入れたお風呂に入る方法です。

入浴剤は歴史も深く、入れれば温泉に入るようにいろいろな効能を得ることができます。しかしこの入浴剤は種類も様々で成分や効果も商品によって異なっています。そこでこちらでは、入浴剤の歴史や主成分と効果についてご紹介していきます。

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入浴剤とは?

入浴剤とは?

さて、入浴剤の成分や効果に入る前に、入浴剤とは如何なるものなのか、その定義から確認していきましょう。何事もそのものを正しく認識することが大切であり、曖昧なままでいると場合によっては痛い目を見ますので、しっかりと確認しておきましょう。

入浴剤とは、入浴の際に浴槽内の湯の中に投入し、効果を得る物質全般を指します。固体のものから粉末のもの、液体のものまで形状は様々です。

入浴剤は大きく分けて、「天然の植物や漢方」で構成されているものと「温泉成分を取り出したものの」、「無機塩類化合物」の3種類が存在します。またこれらを複数組み合わせた入浴剤も存在しているため細かく分けると以下のようになります。

また日本においては医薬品医療機器等法(旧薬事法)の法令上、化粧品(浴用化粧品)、医薬部外品、医薬品、雑貨のいずれかとして扱われています。そのため市販されている製品の多くは医薬部外品に該当します。分類分けについては詳しいページを別でご用意させていただいているので、そちらも参考にしてください。

バスソルトとは?

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このような入浴剤の一種にバスソルトというものが存在しています。これは上記の入浴剤の種類の中でも「雑貨」として扱われる商品です。そのため入浴剤とバスソルトは違ったアイテムとして世間一般では認識されていることが多いです。

つまり分類上、雑貨であるバスソルトは効果効能を謳うことはないですが、何かしらの効果を持った塩(=ソルト)ということになります。

主に成分で大別すると、天然塩を成分とする「死海の塩(デッドシーソルト)」と、硫酸マグネシウムを成分とする「エプソムソルト」に分かれます。

いずれも海水に含まれるミネラル成分が人間の皮膚から吸収され体に良い作用があるとされています。しかし先ほども説明させていただいた通り、効果としては大体的には謳っていません。これによる体に見られる効果としては以下のものが挙がります。

  • 発汗作用の向上
  • 代謝力の向上
  • 保湿効果
  • 整腸効果
  • 新陳代謝の促進
  • 月経前症候群の緩和
  • 頭痛や偏頭痛を予防

このように様々な効果がみられると言われています。またハーブを配合したものはアロマ効果でリフレッシュやリラックス効果も得られると言われています。本来はスクラブ剤として入れられることが多いため、直接肌をマッサージするのにも使えます

一般的な入浴剤に比べても表記できないだけで多くの効果を同時に得られる可能性があるのがバスソルトとなっています。特に女性には嬉しい効果が多いものとしても魅力的です。またその主成分はミネラルだけとなっているので、成分的な危険性も低いのが特徴となっています。

バスボム・バスボールとは?

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バスボムやバスボールと呼ばれる入浴剤も存在しています。こちらは主に重曹やクエン酸を材料とした発泡性の入浴剤の一種になります。このほかにもバズフィズと呼ばれることもあります。

主に球形をしており、香りや色が付けられている場合が多く、水に浸けると重曹とクエン酸が化学反応を起こし、気体の二酸化炭素が泡(炭酸ガス)として生じるものになります。そのため分類上としては炭酸ガス系入浴剤となります。

入浴剤としてのイメージが強いのがこれかもしれません。主な商品としては「バブ」や「バスロマン」などが有名です。気泡として発する二酸化炭素でお風呂にシュワシュワと炭酸泉のような効果を得られるものとなります。

入浴剤の歴史

入浴剤の歴史

それではそんな分類をされる入浴剤ですが、その歴史を紐解いてみましょう。しかし入浴剤の歴史を語る上で切っても切れない存在ないのがお風呂の歴史です。そちらも簡単にですが合わせて見ていきます。

風呂の伝来は仏教と共に

そもそも日本でお風呂に入るという行為が伝わったのは6世紀に仏教が日本に伝来した時だと言われています。仏教では「入浴は七病を除き七福を得る」や「汚れを落とすことは仏に仕える者の大切な仕事」と説かれていたので、入浴は「業(ぎょう)」の1つとして考えられていました。

そのため体を清めるための浴堂があちこちの寺院に現れました。現存するものでは東大寺や興福寺に残っています。それに伴い、僧侶の中には各地で温泉を開拓する者もいました。有名な方では奈良時代に活躍した行基もその一人であり、多くの温泉を開拓したと言われています。

ただこれは伝承であり、そのような史料は一切ありません。しかし、神奈川県高津市にある塩江温泉などは「行基の湯」として有名であり、古くから営まれている温泉であることから、可能性は高いとされています。

明治に入ってからの変化

しかしこのような温泉や浴堂では湯に浸かることがあったものの、一般家庭には浴槽で湯につかるという文化は浸透しませんでした。当然のことながら給湯器もないため、大量の水を沸かして風呂に入るという行為は非常に大変であり、水道もないため汲み上げた水で浴槽を満たすだけでも一苦労です。そのためお風呂に入るというのは一種の贅沢だったのかもしれません。

実際、史実では豊臣秀吉が風呂を振る舞ったという記述があるほか、大河ドラマでは出世した山内一豊の家には風呂があるというエピソードも描かれるほどです。つまり風呂は贅沢品という描かれ方をしていたのでしょう。

風呂の語源は湯室(ゆむろ)が変化したものという説があり、これは当時、湯室で行われていた現在のサウナのような蒸し風呂が一般的であったと考えられるためです。このように、風呂は伝来しても現在のような湯船に浸かるという行為はまだまだ一般的ではありませんでした

一般大衆が湯船に浸かるようになったのは明治時代と言われています。この頃にしっかりと湯船に浸かる形式のお風呂が浸透してきました。江戸時代には既に五右衛門風呂や鉄砲風呂といった小さな据え風呂はありましたが、浸透したのは明治初期と言われています。

しかしそれでもまだまだ普及はせず、どの一般家庭にもお風呂があるようになったのは1960年代の後半の高度経済成長期からだと言われています。当時こそ小さなお風呂でしたが、現代のお風呂のスペースは次第に広くなり、1坪から1.5坪程度の広さとなりました。

入浴剤の登場

この湯船に浸かる風呂に変化したことによって、入浴剤というものも誕生しました。昔から柚子湯や菖蒲湯といった季節柄何かを入れるという風習はありましたが、初めて入浴剤として販売されたのは明治30年になります。

それが「浴剤中将湯」と名付けられた製品で、これは婦人薬である「中将湯」を製造するときに出る製薬を入浴剤として銭湯に販売したのが始まりです。この製品は血行促進や代謝力アップの効果が見られ大ヒットとなりましたが、夏場は温まりすぎて発汗が止まらなくて困るとの声も挙がったことから、製品が改良されました。

そこで完成したのが現在も販売されている「バスクリン」になります。実はこの時代からあったんですね。お風呂上がりに体に爽快感が現れる香りや成分、そしてオレンジの粉を湯に入れるとグリーンに変化するなど、当時から色と香りにこだわった画期的な芳香入浴剤となっていました。これにより夏場でも使える入浴剤が完成したのです。

進化する入浴剤

やがて戦争がはじまり、一時的に入浴剤の販売が停止するなどありましたが、昭和25年(1950年)に再開し、再び注目を集めることとなりました。先述通り、この頃は戦争の爪痕も深く、一家に1つお風呂があるという状況は生まれていなかったものの、1960年代の高度経済成長期には各家庭にお風呂が登場するようになり、その需要はさらに高まりました

1980年代になると炭酸系入浴剤が販売され人気に火が付くと、昭和62年(1987年)には白く濁る温泉タイプの入浴剤「日本の名湯登別カルルス」が発売され、入浴剤市場は大きく変化することとなりました。白濁入浴剤は温泉のようにお湯を白濁させる「登別カルルス」の技術が開発されたことにより実現し、温泉好きの日本人の嗜好に合致したことで人気の高い商品となりました。

これを皮切りとして、現在では血行促進などの機能を高めたものから、保湿成分でスキンケアや美容効果、香りを楽しみリラックス効果を期待できるものまで様々な製品が開発されるようになり、2000品種を超える入浴剤が販売されるようになりました

>>成分や目的別の入浴剤の種類について詳しくはコチラ

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種類別:入浴剤の成分や効果

種類別:入浴剤の成分や効果

さて、このように多くの入浴剤が販売されるようになったことがわかりましたが、なぜこれだけ多くの品種になってしまったかと言えば配合されている成分が違うためであり、種類によって主成分に違いがあります。そうなるともちろん効果も変わってくるわけです。細かい分類については先述していますが、それぞれの系統の主な成分と効果を見ていきましょう。

無機塩類系の主な成分

こちらは温泉由来成分から作られた入浴剤です。主には粉末状で、バリエーションも豊富となっています。主な成分が皮膚のタンパク質(アミノ酸)と結合し、皮膚の表面にベールを作ることで保温効果を高め、湯冷めしにくくなります。またお湯を柔らかくする効果もあります。

そのため、冷え性で手足が常に冷たい方、風邪をひきやすい方、湯冷めしやすい方におすすめです。主な成分は以下のものとなります。

  • 硫酸ナトリウム
  • 炭酸水素ナトリウム

炭酸ガス系の主な成分

入浴剤としてはイメージの強い製品です。お湯に入れるとシュワシュワと泡を出しながら溶けていき、その泡の元である炭酸ガスが皮膚から浸透して血管を広げ血流を促進し、体を芯から温めてくれます。また血液の循環が良くなることで新陳代謝が促進され、疲労回復や痛みが回復しやすくなります。無機塩類系同様に保温効果もあります。

  • 炭酸ナトリウム
  • 炭酸水素ナトリウム
  • 炭酸カルシウム

酵素系の主な成分

無機塩類系にタンパク質分解酵素を配合したものがこの入浴剤になります。保温効果はもちろんのこと、酵素の働きで皮膚の脂肪分やタンパク質、デンプン質を分解し、毛穴の汚れや老廃物を除去しやすくなるため、肌が清潔で滑らかになります。さらに清浄効果が高いので、背中やデコルテのニキビにお悩みの方にもおすすめです。

  • パパイン
  • パンクレアチン
  • タンパク質分解酵素

スキンケア系の主な成分

肌を美しくする成分が入った入浴剤です。皮膚の角質を軟化し、保湿成分が角質層まで浸透するため、お風呂上りの肌は全身しっとりと滑らかになっています。また汗疹やひび、垢切れの予防にも適しており、乾燥肌の方にもおすすめです。とろりとした肌触りの湯なのも人気の理由となっています。

  • セラミド
  • 米胚芽油
  • スクワラン
  • ホホバ油

生薬系(薬用植物系)の主な成分

主成分に生薬やハーブが含まれれている入浴剤です。その効果は含まれる植物によってバリエーション豊かとなっています。生薬やハーブの独特な香りは高いリラックス効果があり、最近ではアロマテラピー関連の入浴剤も多く取り扱われています。寝つきが悪い方やストレスが溜まっている方、気分転換したい方にはおすすめです。

  • トウキ
  • トウガラシ
  • ショウキョウ
  • チンピ

発汗系(ダイエット系)の主な成分

無機塩類系や炭酸ガス系に、発汗作用を高める成分を配合した入浴剤です。鳩尾まで浸かる半身浴をすることで、心臓に負担することなく全身を温めることが可能となっています。また発汗系であるため血行が促進され新陳代謝が活発になることで、脂肪が燃焼されやすくなると言われています。続けることで大きな効果を期待することもできます。

  • トウガラシ
  • ヨモギ
  • ゲルマニウム

入浴剤の注意すべき成分

入浴剤の注意すべき成分

さてこれだけ多くの製品が製造されていれば、当然体に良い成分だけでなく、悪影響を与えてしまうようなものが含まれているものも存在します。これは製造上仕方のないことなので、意図的に害を及ぼすために配合されているわけではありませんが、危険視されている成分が体内に吸収されれば何らかの影響がある可能性もあります。

これは皮膚から体内に侵入する経皮吸収によって起こるものですが、予め成分についての予備知識をつけておけば避けることもできます。そこでここからは入浴剤に配合されている危険とされている成分についてご紹介していきます。

プロピレングリーコール(PG)

入浴剤に保湿剤として入れられているプロピレングリコールは、表示指定成分に指定されているものなので自分が確認することができます。他にも乳化剤や殺菌剤、溶剤等の目的で使用されるため、入浴剤だけでなく多くの日用品やメイク用品、あるいは食品にも使用されています

それもあるのかあまり問題視されないのですが、この物質はアレルギーを引き起こすと見ている専門家もみえます。また未だに詳しく解明されていませんが、発癌性が疑われている成分の1つでもあります。

先に出てきた表示指定成分とは、旧厚生省が石油化学成分の中で皮膚障害や発癌性などの報告を受けたものの中から有害性があると認めたものを指定しています。そのような観点からも危険性は低くない成分と言えるため注意が必要です。

タール色素(合成着色料)

着色料として用いられるタール色素ですが、多くの物には発癌性があり危険とされています。もちろん表示指定成分に指定されています。表記としてはタール色素の他、赤色2号や赤色40号、青色1号といった表記がされます。主な症状としてはアレルゲンとして喘息を引き起こす可能紙が示唆されています。

合成香料

合成香料も問題とされています。こちらも多くの日用品やメイク用品に使われており、アレルゲンとしてのものも多く、毒性が不明なものも多々あるのが現状です。症状としては気分が悪くなる、頭痛を引き起こすなどのものが現れます。

サリチル酸

サリチル酸も上記のプロピレングリコール同様に表示指定成分に認定されているため、その危険性が疑われる成分です。主な害としては染色体異常を誘発し、生殖機能や胎児、臓器などへの影響を及ぼすと懸念されています。またアレルギー性皮膚反応を起こす可能性もあります。飲み込んでも害があり、環境へも悪影響があるとされています。

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