自宅で簡単!手作りハンドクリームの魅力と上手な作り方
手が肌荒れを起こした時に必ずと言っていいほど使うハンドクリームですが、購入するとなるとそれなりの出費になりますよね。しかも商品によっては添加物なども入っており、肌質に合わない可能性もあります。そうなるといくら必要と言えども躊躇ってしまいます。
そんなハンドクリーム、実は自宅でも簡単に作れることをご存知でしょうか?材料さえ集めれば誰でも製作することができるのです。そこでこちらでは自宅で簡単にできる手作りハンドクリームの魅力と上手な作り方についてご紹介していきます。
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手作りハンドクリームの魅力
手作りハンドクリームの魅力は何と言っても、使用している成分を自分で選べるため、自分好みのハンドクリームを作れる点にあります。一般的なものだと成分が複雑となり、どれが体に良くて、どれが体に悪影響を及ぼす可能性があるのかなど調べるだけでも大変になります。その点、手作りともなれば自分に合う成分だけで作ることができます。
また天然成分だけで作ることができるので、大人はもちろんのこと成分さえ気を付ければ子供や赤ちゃんにも使用することができるものも作れます。保存がききにくいという欠点はありますが、作ったらすぐ使うでしょうし、そのあたりは気にならないと思います。材料自体も高価なものはないので、分量によっては市販のものよりお得になるのも魅力の1つでしょう。
ハンドクリームの手作り方法の基本
それではハンドクリームの手作り方法の基本からおさえていきましょう。まずは手順を一覧にしておきます。
- 湯せんして溶かす
・・・耐熱性容器にキャリアオイルと蜜蝋を入れて湯せんにかけ、蜜蝋(シアバターやワセリンでも可)を完全に溶かします。なめらかなクリームを作るには、ここでしっかり混ぜて、蜜蝋をキャリアオイルにきちんと馴染ませておくことがポイントです。 - 容器に移して精油を加える
・・・容器に移して、表面にうっすら膜ができはじめたら精油を加えよくかき混ぜます。 - 空気を抜く
・・・よく混ぜてから容器を机より少し高いところから落とし、軽く打ち付けてクリームの中に入った空気を抜きます。完全にクリームが冷めて固まったら蓋を閉めて完成です。
以上のような手順になります。細かく記載しましたが結局のところ、蜜蝋などのベースとなる材料とキャリアオイル、エッセンシャルオイルを湯せんで溶かしながらしっかり混ぜ、冷まして固めると言うのが基本になります。
ベースに使う素材について
それでは基本にも出てきたベースに使う素材についてご紹介してきます。上記は蜜蝋をベースとしていますが、後述するシアバターやワセリンでも作れます。またエッセンシャルオイルとキャリアオイルの特徴についても触れておきたいと思います。
蜜蝋
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蜜蝋は蜜蜂が巣を作る際、体から分泌する蝋(ワックス)です。この成分は化粧品に柔らかい感触を与えたり、他の油脂や配合成分を均質化、分散化して、安定させる効果があります。ハンドクリームを作る上では最適な材料となります。
もちろん天然成分なので安心・安全であり、それだけでなく優れた乳化剤としての効果を発揮します。また肌や唇をしっとりとやわらかくする効果があり、保湿成分としてもかなり優秀となっています。ヨーロッパでは、肌の炎症や切り傷、火傷にも効果があるとして、民間療法的に家庭で広く利用されてきた成分でもあります。
黄蜜蝋が一般的ですが、こちらには花粉やプロポリスなどが含まれており、乳幼児にはアレルギー反応が出ることがあるため、その心配がない白蜜蝋を使うことをおすすめしています。
シアバター
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シアバターは植物性脂肪で天然の保湿クリームです。天然の成分だけで構成されているので体にも無害で石鹸やクリーム、食用や薬として用いられています。保湿効果が高いので肌の乾燥防止効果を期待できます。またビタミンEだけでなくビタミンAやBも含まれているのが特徴です。
ワセリン
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ワセリンは皮膚表面に油分の膜を張り、角質層の水分蒸発を防ぐ効果が期待できる成分です。また外的刺激から皮膚を保護するという働きがあることから、鎮痛・消炎・鎮痒の軟膏剤のような医薬品の基剤にも使われていると言う特徴があります。もちろん市販のハンドクリームにもこの成分が使われているものも販売されています。
エッセンシャルオイル(精油)とは
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エッセンシャルオイルとは植物から抽出された天然100%の有機化合物です。様々な品質のグレードのものや香りがあり、一般的にはアロマテラピーで使用されることで有名です。ただ世界中で生産される大部分のエッセンシャルオイルは工業用原料として消費されています。
今回のようなハンドクリームに使う場合は、香りを楽しむだけでなく体や心にも作用するため、合成の香りにはない利点を得られます。また種類も豊富にあり、効能もそれぞれなので自分の好みな香りや効能に合わせて調合できるメリットもあります。
キャリアオイル(植物オイル)とは
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キャリアオイルは植物オイル(植物油脂)とも呼ばれ、これらは植物から摂れる油や脂肪、ワックスの総称です。特にマッサージ等で使われるベースとなる油脂をキャリアオイルと言います。
精油はそのままでは濃度が濃すぎて肌に直接付けられないため、このオイルに薄めてから肌に使用します。これは精油の脂溶性の性質を利用しています。そういった精油の有効成分を効率的に皮膚へと運ぶ(=carry)ことから、キャリアオイルと言われています。
ハンドクリームの作り方
では、ハンドクリームに使用するベースの素材別にハンドクリームの作り方をご紹介していきます。
このページの最下部には、自作ハンドクリームにおすすめなエッセンシャルオイルや、使用できないエッセンシャルオイルについてご紹介してますので、ここで紹介する作り方と合わせてご活用いただければと思います。
蜜蝋を使ったハンドクリームの基本レシピ
蜜蝋ハンドクリームは保湿や柔軟作用のほか、ハチミツやローヤルゼリー同様治癒特性があるため、肌の治癒効果を高め若々しい皮脂細胞をよみがえらせる効果が期待できます。
ここからはそんな蜜蝋を使ったハンドクリームの基本レシピをご紹介していきます。作り方は先述の基本的な作り方に則っていただければいいので、ここでは分量などをご紹介していきます。
必要な材料
必要な材用は以下の通りです。ベース素材は蜜蝋、キャリアオイルとエッセンシャルオイルの分量の配分になります。
- 蜜蝋 : 6g
- キャリアオイル : 30ml
- エッセンシャルオイル : 6~8滴(0.3~0.4ml)
単純計算ですが、これでエッセンシャルオイルの比率は1%に満たない程度です。基本的にはキャリアオイル50mlにエッセンシャルオイル10滴(0.5ml)で1%未満となります。
蜜蝋 | キャリアオイル | エッセンシャルオイル |
シアバターを使ったハンドクリームの基本レシピ
続いてシアバターを使ったハンドクリームの基本レシピになります。こちらは蜜蝋と違い、シアバターを大量に使うので、分量を間違えないように気を付けて下さい。シアバターハンドクリームは敏感肌の人や肌が弱い人、妊婦さんや赤ちゃんにも使えるのが特徴のハンドクリームとなっています。
必要な材料
それでは必要な材料です。ベース素材は上記の通りシアバターを使用します。それを含めたキャリアオイルとエッセンシャルオイルの分量は以下の通りです。
- シアバター : 40g
- キャリアオイル : 10ml
- エッセンシャルオイル : 2~4滴(0.1~0.2ml)
このような割合になります。やはりエッセンシャルオイルは1%程度になるように配合しています。シアバターは元々が天然のクリームなのでキャリアオイルは少なめに感じるかもしれませんが問題なく作れます。
シアバター | キャリアオイル | エッセンシャルオイル |
ワセリンベースを使ったハンドクリームの基本レシピ
最後にワセリンを使ったハンドクリームです。ワセリンは角質層までは浸透せず、表面に留まるのでその性質を利用して、埃や空気などの刺激から肌を守る膜を作り、膜の内部では保湿効果を高めて、水分の蒸発を防いでくれる特徴があります。
必要な材料
それでは必要な素材のご紹介です。とは言ってもベース素材はワセリンで、キャリアオイルとエッセンシャルオイルが必要となるだけです。分量は以下のように準備し使用してください。
- ワセリン : 20g
- キャリアオイル : 80ml
- エッセンシャルオイル : 16~18滴(0.8~0.9ml)
ワセリンは粘度が非常に高いためキャリアオイルを多めに使って溶かし伸ばす必要があります。そのためエッセンシャルオイルもそれに合わせて少し多めになっています。
ワセリン | キャリアオイル | エッセンシャルオイル |
手作りハンドクリームの注意点
手作りハンドクリームは作り方こそ簡単ですが、注意すべき点があります。天然成分とは言えどもエッセンシャルオイルは分量の比率を間違えると体に害を及ぼすこともあります。そのため特に分量は重要となります。
また女性の方が使うことが多いと思いますが、妊娠中など特別な状態のときは注意する必要が出てきます。そのあたりの説明をさせていただきます。
エッセンシャルオイルの分量
エッセンシャルオイルは刺激が強いのでハンドクリームに使う以前に、どのような場面も出使用量に注意する必要があります。多すぎるとその刺激で様々な不調を起こすことがあります。そのためハンドクリームに使う分量は必ず全体の1%程度、多くても2%までにしてください。それ以上入れると危険です。
妊娠中のママはエッセンシャルオイルに要注意
妊娠中の母体において、エッセンシャルオイルは禁忌とされている種類があります。これは後述するエッセンシャルオイルの作用において、毒性があるものや分娩促進作用があるものがあるためです。あくまでこれも一例であり、様々な作用が妊娠に何らかの影響を与える可能性があります。
妊娠中のアロマテラピー自体はリラックス効果もあり良いのですが、不用意に行ってしまうとかえって悪影響になります。そのためまずは健康体であること、そして胎児の成長の経過が順調であることを必ず確認してください。
第2に、基本的には芳香浴だけに限定して使用することが勧められています。オイルそのものの量も通常の半分以下にして使用することが望まれます。全体の2%以下を目安になるようにしてください。また強力であったり通経作用などのあるエッセンシャルオイルは避けるようにしてください。
手作りハンドクリームにおすすめのエッセンシャルオイル:厳選20種
エッセンシャルオイル(精油)は300種類ほどあると言われており、その中から自分の好みの香りや効能を探すのは大変かと思います。
そこで数あるエッセンシャルオイルの中でも、特に有名だったり使いやすいおすすめのエッセンシャルオイルの香りや効能をまとめてみました。
妊娠している人をメインに、後述する禁忌事項が軽め、もしくは無いエッセンシャルオイルを選んだので安心して使用できるかと思います。
手作りハンドクリームを作る際の参考にしてみてください。
名称 | 香り | 効能 |
ラベンダー | 清らかでフローラル | 鎮痛作用 リラックス効果 |
レモン | 清涼感があり爽やか | 殺菌・抗菌作用 リフレッシュ効果 |
グレープフルーツ | 爽やかでフルーティー | 消臭・抗菌作用 |
ベルガモット | フレッシュな甘さ | 鎮痛・鎮静作用 リフレッシュ効果 |
オレンジスウィート | フルーティーで甘酸っぱい | 血行促進作用 リラックス効果 |
タイム・リナロール | フローラルな優しい甘さ | 抗菌作用 リラックス効果 |
ローズウッド | 優しいローズの香り | 抗菌・殺菌作用 鎮痛・鎮静作用 |
ジンジャー | 爽やかでスパイシー | 食欲増進・消化促進作用 鎮痛作用 |
イランイラン | 官能さのある甘さ | 鎮静・安眠作用 鎮痛・抗炎症作用 |
ティートゥリー | 爽やかでスパイシー | 抗菌・抗ウイルス作用 |
ペッパー | スパイシーで爽やか | 鎮痛・消化促進作用 リフレッシュ効果 |
マンダリン | フレッシュで甘酸っぱい | 鎮静・安眠作用 リラックス効果 |
ゼラニウム | バラのようなフローラルな香り | 殺菌・血行促進作用 ホルモンバランス調整作用 |
タイム | スパイシーな甘さ | 抗菌・抗ウイルス作用 鎮痛・利尿作用 |
ライム | 苦味のあるシトラスの香り | 抗菌・抗ウイルス作用 食欲増進作用・リフレッシュ効果 |
シトロネラ | 爽やかなフレッシュな香り | 鎮痛・抗炎症作用 虫よけ効果 |
パイン | 爽やかでスパイシー | 抗菌作用 リフレッシュ効果 |
バルサムモミ | すっきりした爽やかな香り | 殺菌・鎮痛作用 リラックス効果 |
ディル | フレッシュな甘さと苦さ | 抗ウイルス・消化促進作用 |
プチグレン | フレッシュで爽やか | 鎮静・安眠作用 リラックス効果 |
エッセンシャルオイルの禁忌事項と注意すべき種類
エッセンシャルオイルは非常に多くの種類があり、香りや効能もそれぞれ違いがあります。基本的には香りや効能で好みのものを使用するといいのですが、エッセンシャルオイルには禁忌事項があります。
体にプラスに働く効能もあれば、逆にマイナスに働いてしまう場合があります。
以下のエッセンシャルオイルは肌にシミができやすくなったり、通経作用、分娩促進作用などを持っているものなので、人によって使用を控えた方がいいエッセンシャルオイルがまとめてあります。
エッセンシャルオイルを選ぶ際は、禁忌事項に当てはまっていないか必ず確認してください。特に妊娠している人、アレルギーを持っている人や肌が弱い人は注意が必要です。
光毒性(シミができやすい)・通経作用・分娩促進作用・毒性・神経毒性があるもの一覧
名称 | 通経作用 | 分娩促進D | 毒性・ 神経毒性 |
光毒性 |
アニスシード | 〇 | 〇 | ||
アンジェリカ | 〇 | |||
アンジェリカ ルート | 〇 (0.78%) |
|||
アブソリュート(イチジク葉) | 〇 (使用禁止) |
|||
アブソリュート(バーベナ) | 〇 (0.2%) |
|||
インディアンディルシード | 〇 | |||
ウインターグリーン | 〇 | |||
オレンジ(ビター) | 〇 (1.4%) |
|||
オポパナックス | 〇 | |||
カラムス | 〇 | |||
カラミント | 〇 | |||
カンファー (ホワイト / ブラウン ブルー/イエロー) |
〇 | |||
キャラウェイ | 〇 | |||
クミン | 〇 | 〇 (0.4%) |
||
グレープフルーツ | 〇 (4.0%) |
|||
クローブバット | 〇 | |||
サッサフラス | 〇 | |||
サビン | 〇 | |||
シダーウッド (アトラス、ヒマラヤ) |
〇 | |||
シトロネラ | 〇 | |||
シナモンリーフ | 〇 | |||
ジンジャー | 〇 | |||
スターアニス | 〇 | |||
スネークルート | 〇 | |||
セージ(スパニッシュ、コモン) | 〇 | |||
セロリシード | 〇 | |||
タイム(ホワイト) | 〇 | |||
タジェット | 〇 | 〇 (0.05%) |
||
ターメリック | 〇 | |||
タラゴン | 〇 | |||
タンジー | 〇 | |||
ツーヤ | 〇 | |||
ナツメグ | 〇 | 〇 | ||
ニアウリ | 〇 | |||
バジル(ワイルド/ドッグ) | 〇 | |||
パセリ(葉、シード) | 〇 | |||
パルマローザ | 〇 | |||
ヒソップ | 〇 | |||
フェンネル(スィート) | 〇 | |||
フェンネル(ビター) | 〇 | |||
ベイローレル | 〇 | |||
ペニローヤル | 〇 | |||
ベルガモット | 〇 (0.4%) |
|||
ホースラデッシュ | 〇 | |||
マスタード | 〇 | |||
マンダリン | 〇 | |||
ミント(ペパーミント) | 〇 | |||
ミント(スペアミント) | 〇 | |||
ヤロー | 〇 | |||
ユーカリ | 〇 | |||
ライム | 〇 (0.7% 圧搾抽出) |
|||
ラブダナム | 〇 | |||
ラベッジ | 〇 (0.7% 圧搾抽出) |
|||
ラベンダー(スパニッシュ) | 〇 | |||
ルー | 〇 | 〇 (0.78%) |
||
レモン | 〇 (2.0% 圧搾抽出) |
|||
ワームウッド | 〇 | |||
ワームシード | 〇 |
※( )は光毒性を避けるための最大使用レベル。ただし記載がないものは使用禁止。またスウィートで圧搾抽出したオレンジ、圧搾抽出をしたタンジェリン、タンジェロ、マンダリン、ベルガプテンを除去したベルガモット、蒸留抽出したライム、レモンは光毒性はありません。
光毒性は主に柑橘系オイルに多く、光毒性因子としてはフロクマリン類が有名です。
通経作用とは月経を誘発する作用のことを言います。通常時は月経を促し、生理周期を整えてくれるのですが、妊娠中は子宮内のものを排出しようとする作用があるため危険です。