除毛と脱毛の違いは?除毛クリームの成分と仕組み
除毛クリーム(脱毛クリーム)を使ったことがない方にとっては、クリームを塗るだけでなぜムダ毛が処理できるのか不思議に思ったり、肌に悪くないかなど不安になる方もいらっしゃるでしょう。
ムダ毛の処理には様々な方法がありますが、自宅で手軽に出来て費用もそこまでかからず痛みもほとんどないことから注目されているのが、除毛クリーム(脱毛クリーム)を使ったムダ毛処理です。
ここでは除毛クリーム(脱毛クリーム)に含まれる成分や除毛の仕組み、除毛と脱毛の違いなどについて解説していきます。
自分にあった除毛クリーム(脱毛クリーム)を見つけるためにも、まずは正しい知識を身につけましょう!
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除毛クリームに含まれる成分
除毛クリームには、ムダ毛を処理するための成分が含まれており、その働きによってムダ毛を処理することが可能となっています。
細かく言えば全く同じ成分がすべての除毛クリームに含まれているわけではありません。
しかし以下の三つ、「チオグリコール酸カルシウム」「美容保湿成分」「香料」はほぼすべての除毛クリームに含まれているといえますので、それぞれ具体的に紹介していきます。
チオグリコール酸カルシウム
医薬部外品として販売されているすべての除毛クリームに配合されているのが、この「チオグリコール酸カルシウム」です。
医薬部外品とは、厚生労働省がその効果を認めた成分が配合されたものであり、チオグリコール酸カルシウムが一定濃度で配合された除毛クリームもそれにあたります。
チオグリコール酸カルシウムはアルカリ性でタンパク質を溶かす効果があり、同じくタンパク質で構成されているムダ毛を溶かすことでムダ毛を処理します。
美容保湿成分
除毛クリームの有効成分であるチオグリコール酸カルシウムはタンパク質を溶かす作用があるため、少なからず肌にもダメージを与えます。
そこで、多くの除毛クリームには美容保湿成分が含まれています。これによって肌にうるおいを与える、除毛クリーム使用後の乾燥から肌を守ります。
敏感肌で悩んでいるものの、除毛クリームを使用してムダ毛を処理したいという方はこうした美容・保湿成分が多く含まれているものを選ぶとよいでしょう。
以下に、除毛クリームに美容保湿成分として配合されやすい成分についてまとめておきましたので、購入の際には以下の成分が含まれているかを確認してみてください。
美容保湿成分 |
・大豆エキス・尿素・ヒアルロン酸・桃葉エキス・アロエエキス・ナノ化・サクラ葉エキス・カモミールエキス・ローマカミツレエキス・シアバター・グリセリン・パパイン・カッコンエキス・ツボクサエキス・オウゴンエキス・イタドリ根エキス・ローズマリー草エキス・チャ葉エキス・カミツレ葉エキス・トウキンセンカエキス・セージエキス・セイヨウノコギリソウエキス・スギナエキス・アルニカエキス・アイビーエキス・オトギリソウエキス・ピロウドアオイエキス・海藻エキス・ハマメリス水 |
香料
除毛クリームを使用したことのある方の感想として多いのが、除毛クリーム特有の鼻にツーンとくるクセのあるニオイです。
これは、チオグリコール酸カルシウムと、その効果を高めるための水酸化カルシウムや水酸化ナトリウムといったアルカリ性の成分によるものです。
このニオイがかなり苦手という方が多いのですが、それを少しでもおさえるために香料が混ぜられた除毛クリームが数多く販売されています。
製品ごとに様々な香りの香料が配合されていますので、ご自身の好みに合わせたり、香りの評価が高い除毛クリームを選ぶことをおすすめします。
除毛クリームの作用と効果
除毛クリームに含まれる成分について紹介させていただいたところで、どんな仕組みでムダ毛を処理するのかについて解説します。
除毛クリームを使ったムダ毛処理がどこまでの効果を持ち、それがどの程度維持されるのかについても併せて紹介していきます。
タンパク質を分解する
成分のところでも触れましたが、除毛クリームには「チオグリコール酸カルシウム」というアルカリ性の成分が含まれています。
この成分はタンパク質を分解する性質があり、除毛クリームはその性質を利用して、タンパク質で出来た毛を分解します。
これによってムダ毛を溶かし、処理をするというのが基本的な仕組みとなります。
毛根から取り除くわけではない
除毛クリームを使用してムダ毛処理を行う方に覚えておいていただきたいのが、除毛クリームは毛根からムダ毛を処理するわけではないということです。
そのため、使用してから時間がたてばまた同じ部分にムダ毛が生えてきます。
しかしカミソリなどで処理をするのに比べると、ムダ毛の先の部分が溶けているので、ムダ毛が生えてきた時特有のチクチクとしたさわり心地にはなりにくいのが特徴です。
効果は3日から7日間持続
カミソリを使ったムダ毛の処理というのは、肌の表面に出てきている毛を剃るので、処理後すぐに再びムダ毛が生えてきます。
しかし除毛クリームを使用した処理の場合は、毛穴に入った除毛クリームがムダ毛に作用するので、若干ではありますがカミソリに比べてムダ毛処理の効果は長持ちしやすいと言えます。
もちろん個人差がある上に、ムダ毛処理をする部位にもよって代わりますが、おおむね3日から7日程度効果が持続すると感じる方が多いようです。
除毛と脱毛の違いって?
除毛クリームをネットで探そうと思った時、「脱毛クリーム」と検索している方がいるかもしれませんが、この二つは違います。
厳密には脱毛クリームというのは存在せず、「除毛」と「脱毛」は違う意味となります。
ではこの二つ、具体的にどう違うのでしょうか。除毛クリームを知る上でも重要な要素となるので確認しておきましょう。
除毛は皮膚から出ているムダ毛を取り除くこと
まず除毛ですが、これは皮膚から出ている部分のムダ毛を体から取り除くことをさします。
つまり、毛穴の奥にある毛根になんらかの刺激を与えて根こそぎ抜き去るのではなく、目に見える部分のムダ毛のみを処理することを意味します。
除毛クリームを使用しなくとも、カミソリやシェーバーを使用したムダ毛処理などもこれにあたります。
脱毛はムダ毛を毛根から取り除くこと
では脱毛はというと、こちらは皮膚の表面である表皮よりもさらに下にある毛根になんらかの刺激を与えることで毛根からムダ毛そのものを抜き去ることをさします。
毛抜きなどを使用してムダ毛を抜くことも脱毛になりますが、毛穴が開いてしまうなどのトラブルを招くこと危険があります。
脱毛において代表的なのは、レーザーを使用して毛根の細胞を直接破壊することによって毛を生えなくさせる永久脱毛などです。
どの方法においても、一般的には除毛に比べて脱毛の方が痛みを伴うムダ毛処理の方法と言えるでしょう。
除毛クリームに種類ってある?
一口に除毛クリームと言っても、たくさんのメーカーから様々な除毛クリームが販売されています。
そんな中で、特に初めて除毛クリームを使ったムダ毛処理を考えている方は、どんな除毛クリームを選べばよいか分からないでしょう。
そんな方のために、そもそも除毛クリームに種類はあるのかについて紹介していきます。
部位によって使えないものがある
基本的に、除毛クリームは厳密に種類が分かれているわけではありませんが、部位によっては使えないものがあるという点に関しては注意が必要です。
最も気をつけるべきなのは、顔とVIO(デリケートゾーン)です。
この二つの部位については、製品によってメーカーが使用をしないように注意書きなどで明言しています。
注意を無視してこれらの部位に使用すれば、肌荒れや炎症などのトラブルを引き起こすことになるので使用しないようにしましょう。
肌質、毛質、部位別におすすめの除毛クリームは違う
除毛クリームには成分などによる明確な種類分けやタイプ分けがあるわけではありませんが、肌質や毛質、部位別におすすめの除毛クリームが変わると言えるでしょう。
ここでは、どんな風な選び方をすればよいかについて肌質、毛質、部位別に簡単に紹介していきます。
それぞれの項目に詳しいページへのリンクがあるので、それぞれについてのおすすめ除毛クリームを確かめたい方はそちらもご覧ください。
敏感肌向け
除毛クリームを使用したムダ毛処理は、ムダ毛を溶かすと同時に肌にもどうしてもダメージを与えてしまいます。
そこで気をつけなくてはいけないのは、「敏感肌」の方です。
除毛力だけに着目した除毛クリーム選びをしてしまうと、肌トラブルを招いてしまうでしょう。
美容保湿成分がしっかり含まれた除毛クリームを選ぶようにすることが大切です。
剛毛向け
男性だけでなく、女性でも悩む方が多いといえる太くて濃いムダ毛、いわゆる剛毛にも除毛クリームは使うことができます。
その場合に重要なのは、もちろん除毛力です。産毛程度しか除毛できない除毛クリームを選んでしまっては効果を実感することはできないでしょう。
今は女性も使えるメンズ向けの除毛クリームもあるので、そうした商品も選択の対象になるでしょう。
ただし除毛力が高いということは、必然的に肌へのダメージも高くなるのでその点には注意が必要です。
脇毛向け
今や男性も脇毛を処理する方が目立ち始めた脇毛ですが、案外デリケートな部位であることを知っておきましょう。
しっかりと美容保湿成分が含まれた除毛クリームを選び肌トラブルをしっかり避けましょう。
夏のシーズンは脇などのも見られがちなので、脇毛向けの除毛クリームを選んでしっかりとケアしましょう。
VIO向け
除毛クリームを使用する上で、最も気をつけるべき部位の一つがこのVIO、いわゆるデリケートゾーンに使用する場合です。
VIOのムダ毛処理に除毛クリームを使用する場合には、必ず商品の注意書きを読みましょう。
また、デリケートゾーンへの使用が可能となっているものであっても、基本的にはVゾーンのみと考えてください。
IOへの使用は粘膜に除毛クリームが付いてしまうリスクが高く、それによって肌トラブルを引き起こしてしまいます。
顔に使える
女性であれば顔の産毛、男性であれば髭に除毛クリームを使いたいと考える方がいるかもしれません。
しかし、基本的に顔に使える除毛クリームはかなり限定的であると覚えておいてください。
特に男性の髭の処理に使える除毛クリームはない上に、無理に使用してもあまり意味がありません。
女性の顔の産毛に関しては、専用の除毛クリームがあるので必ずそれを使用するようにしてください。
『除毛クリームのおすすめ総合ランキング』については、選び方と合わせて詳しく紹介したページを用意していますのでそちらをご覧ください。
>>【最新版】これで失敗しない!除毛クリームの選び方とおすすめ人気ランキング
除毛クリームのメリット・デメリット
除毛クリームを使ったムダ毛の処理というのは、いくつかあるムダ毛処理の手段のうちの一つです。
ムダ毛の処理をしたいと思った時に、どんな手段を選べばよいのか、本当に除毛クリームを使った処理が良いのか分からないという人も多いでしょう。
この項目では、カミソリを使った処理や、毛抜きを使った処理、サロンでの永久脱毛といった他の手段と比べて、どんなメリット・デメリットがあるのかを解説していきます。
メリット
まずは除毛クリームを使ってムダ毛を処理することのメリットです。
主に以下の4つの点が除毛クリームを使用することの主なメリットと言えるでしょう。
自宅で出来る
まず一つ目は、自宅で簡単に誰でも出来るという点です。
これはカミソリや毛抜きを使った処理でもそうかもしれませんが、サロンでの永久脱毛ではそうはいきません。
特に、他人に施術されることに抵抗のある方、特にデリケートゾーンなど部位を見られることに抵抗のある方にとってはメリットとなるでしょう。
痛みが少ない
二つ目は痛みについてです。除毛クリームはムダ毛処理の中でも痛みを伴わない処理方法であると言えるでしょう。
毛抜きを使ってムダ毛を抜くことは当然痛みを伴いますし、カミソリを使った処理でも皮膚に細かな傷を付けてしまい、沁みたりする場合があります。
またサロンでの永久脱毛では、部位によっては我慢が出来ないほどの痛みを感じる方もいるので、痛みを伴ったムダ毛処理はとにかくいやだという方には大きなメリットとなります。
処理の周期が長くなる
三つ目はムダ毛処理の周期が長くて済むという点です。これはカミソリでの処理と比べると比較的分かりやすいといえます。
カミソリでムダ毛を処理する場合、肌の表面にあるムダ毛をカットするので、処理した翌日にはムダ毛が顔を出し始めてしまいます。
しかし除毛クリームを使用した場合、クリームが毛穴にも入り表面よりも入り込んでムダ毛を溶かします。
これによって生えてくるまでの時間がカミソリによる処理に比べて長くなり、ムダ毛の処理周期が長くなる場合があります。
費用が安い
四つ目は費用が安く済むという点です。サロンでの永久脱毛と比べるとより顕著であると言えるでしょう。
しかし、実際は永久脱毛をしてしまえばその後はほとんど生えてこないことを考えると一概にはそうとも言えない面があります。
一回の処理に関して言えばということになるので、永久脱毛の費用を準備出来ない方にとってのメリットとなります。
デメリット
続いては除毛クリームを使うことによるデメリットについてです。
主に以下の三点が除毛クリームを使うことによるデメリットとなるので解説していきます。
継続的に使用しなくてはいけない
まず一つ目はなんと言っても、継続的に使用しなくてはならないという点です。
除毛クリームは、ムダ毛を毛根から根こそぎ処理するものではないので、処理をしても再び生えてきてしまいます。
つまり時間がたてば元に戻ってしまうので、都度除毛クリームを使ってムダ毛を処理し続けなくてはなりません。
処理が面倒だと感じる方や、結局は永久脱毛をした方がトータルコスト的に有利だと考える方にはデメリットとなります。
肌に負担を与える
続いて二つ目は、肌への負担があるという点です。
すでに成分の項目で解説したとおり、除毛クリームは「チオグリコール酸カルシウム」というたんぱく質を分解する成分が含まれています。
しかし毛と同じように皮膚もタンパク質で出来ているため、肌にも刺激を与えることになります。
敏感肌の方や、肌がすでに荒れている方は使用することによって肌コンディションをさらに悪化させることになるでしょう。
また粘膜には使用できないのでVIO(デリケートゾーン)や髭にも使用することはできません。
思った通りにムダ毛処理できないことがある
三つ目は、ムダ毛処理の効果を実感できない可能性があるという点です。
特に、使い方や商品選びを間違えてしまうと効果を実感できないばかりか、肌荒れなどのトラブルを引き起こしてしまいます。
使ってみても効果を実感できない場合や、トラブルになってしまった場合は、商品選びを見直すか、別のムダ毛処理方法を検討しましょう。
除毛クリームを使うと毛が濃くなる?
除毛クリームを使ったムダ毛処理において、まことしやかに言われているのが、「除毛クリームを使うと毛が濃くなる」という話です。
これから除毛クリームを使おうと思っている方にとっては非常に重要な問題と言えるこの話が本当なのか、解説していきます。
毛が濃くなるわけではない
まず結論から言えば、除毛クリームを使ったことが直接的にムダ毛を濃くするということには繋がらないと言えるでしょう。
なぜなら、除毛クリームを使おうがカミソリを使おうが、再び生えてくるのは途中で切断された毛であって、新しいムダ毛が生えてくるわけではないからです。
新しいムダ毛が生えてこないということは、ムダ毛の本数に変わりはありませんから、ムダ毛が濃くなるわけではありません。
処理後は毛先が細いため生えてきた時に濃く見える
それでも除毛クリームを使用した後に生えてきたムダ毛が濃くなったように感じるのはなぜでしょうか。
基本的にはカミソリで処理をした場合に比べて、除毛クリームでムダ毛を処理すると、切断されたムダ毛の先端は細くなります。
しかし、除毛クリームが毛穴に入り込んでムダ毛を溶かした場合、処理直後はカミソリによる処理に比べて切断面が見えなくなります。
その状態から再びムダ毛が生え、毛先が太くなっていくように見えることで、あたかも処理前よりも濃くなっているように感じてしまうのです。